終活とは、「人生の終わりのための活動」の略です。
人生の総括を行い、自分らしい人生の最期を迎えるためにいろいろな準備を行うことを意味します。
つまり、自分の命の終わりに向き合う作業ということですね。
では、命が終わったあとのことを考えたことはあるでしょうか?
- 自分の命が終わったら、意識や魂はどこにいくのだろう?
- 天国と地獄って本当にあるの?
- 生きている人たちのことって忘れちゃうの?
そんなことを考えさせられる絵本があります。
今日は2016年4月に発行されたヨシタケシンスケさんの絵本『このあとどうしちゃおう』を紹介したいと思います。
伊藤有花(いとうゆか)と申します
関西在住・小6長男と小2長女と暮らす
事務のアルバイトとブロガー
これまでに我が子に絵本を1000冊以上読み聞かせた(はず!)
(令和4年5月現在の情報です)
はじめに
皆さんには大切な人やペットを亡くされた経験はありますか?
時間が経っても、亡くなった人をふと想う瞬間があるかもしれません。
天国で幸せに過ごしていたらいいな。
私たちのことを見守ってくれているのかな。
先に天国に行ったあの人には会えたのかな。
亡くなった人は命が終わることと、どのようにして向き合ったのでしょうか。
生きている私たちが誰も知ることのできない世界をどのように思い描いたのでしょう。
絵本『このあとどうしちゃおう』のあらすじ紹介
このあとどうしちゃおう
【作ヨシタケシンスケ(ブロンズ新社)】
途中までのあらすじ
おじいちゃんが死んじゃった。
おじいちゃんの部屋をみんなで掃除していたら「このあとどうしちゃおう」と書かれたノートが見つかりました。
それはおじいちゃんが、自分が死んだらどうなりたいか、どうしてほしいかが書かれたノートでした。
- 命が終わったあとの予定
- 生まれ変わったらなりたい物
- こんな素敵な神様にいて欲しい
- 天国ってきっとこんな楽しいところ
- 面白いお墓を作ってほしい
などなど、わくわくするようなことがたくさん書かれている!
おじいちゃんは天国に行くのが楽しみだったのかな?
でも、ちょっと待てよ…。
もしかしたら逆だったのかな…?
注目ポイント
亡くなったおじいちゃんの部屋から出て来た「このあとどうしちゃおうノート」
おそらくおじいちゃんは、近々自分の命が終わることを覚悟してこのノートを書きました。
おじいちゃんが想像したテーマパークのような天国はとっても素敵、まさにユートピア!
私が個人的に良いなぁと思ったのは↓
- あちこちに布団と温泉がある
- 空が飛べるのでどこへでも行ける
- みんな必ずどこか褒めてくれる
逆に意地悪なアイツが行くであろう地獄はこんなところ↓
- そこら中に鬼がいて何をしても怒られる
- 誕生日プレゼントが注射
- 日々細かい作業をさせられる
- とにかく臭い
ノートを読んでいる「僕」がウキウキしてしまうようなことがたくさん書かれているこのノート。
ところが「僕」は、ふと考えます。
おじいちゃんは本当はすごく寂しくて怖かったのかもしれない…。
死ぬのが怖くなくなるようにたくさんの楽しいことを書いたのでは?
前半は命が終わった後のことについてとってもコミカルでユーモラスに描かれているのですが、ファミレスで一人遠くを見つめてぽつんと座るおじいちゃんの描写に急に涙腺が刺激されます。
自分の命が終わることなんて考えもしないで、楽しそうに過ごしているファミリーや友人グループを羨ましく思ったのかもしれません。
おじいちゃんが命の終わることに対してどう思っていたのかもう「僕」は聞くことはできない。
「僕」もおじいちゃんと同じように「このあとどうしちゃおうノート」を書くことを思いつき、ノートを買いに自転車に飛び乗ります。
ところが、お店に向かう道中でノートにどんなことを書こうかと考えている「僕」の心境にも変化が…。
自分の命が終わったあとのこと、自分の命がある今のこと、これを機に考えてみるのはどうでしょう?
おわりに
ヨシタケシンスケさんが描く天国は優しさに溢れた素敵な世界!
大切な人と悲しいお別れをしても、きっとあの人は天国で楽しく穏やかに過ごしていると思うと少し心が癒される気がします。
そして日常の中の意外なモノに姿を変えて私たちのことを見守ってくれていたりして!?
この絵本の最後のページには、「僕」をこっそり見守るおじいちゃんの姿がきっと皆さんにも見えますよ。
皆さんが一生懸命生きたご褒美に自分だけのオーダーメイド天国に行けるとしたらどんな世界にしますか?
- とりあえず空は飛べる
(人類永遠の憧れ) - 常にエアコンが不要な快適温度
(やんわりとした四季がある) - 大好きなテーマパークで遊び放題
(待ち時間なし!) - 美味しいものを食べ飲み放題
(どんなに食べても太らない) - 伝説のロックスターが毎日ライブをしていたりして!?
こんなことを考えてみるもの楽しいかもしれません。
そして、
天国ではこんな暮らしがしたい!こんなことをしてみたい!
とあれこれ考えているうちに「これは現世でもできるのでは?」ということも見つかるかもしれませんね。
弊ブログでは他にもヨシタケシンスケさんの絵本を紹介しています。
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作・絵:ヨシタケシンスケ